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ユーザ紹介

三井建設株式会社

三井建設株式会社技術研究所
研究開発第一部 地盤グループ
木山 保 様

岩石の強さを調べる方法として、一軸圧縮試験や三軸圧縮試験が広く適用されており、当社でも2台のMTS815で試験を実施しています(写真1)。一軸圧縮試験では、円柱形に整形した岩石の試験体(たとえば直径5cm、高さ10cm、写真2)を軸(長手)方向に押し潰して、破壊するときの軸応力を一軸圧縮強度として評価しています。三軸圧縮試験では、円柱形の試験体の側面に油圧などであらかじめ圧力を加えておいて、それから軸方向に押し潰します。この側面から加える圧力は封圧または拘束圧と呼ばれ、封圧が大きくなると軸方向の強度も増大します。丸い棒を横からギュッと握り締めると潰れ難くなるのは感覚的にはわかりやすいと思いますが、潰れ難くなる程度は岩石によって特有です。そこで、大きさの異なる4〜5レベルの封圧条件で試験体を押し潰し、岩石の強度特性である粘着力や内部摩擦角を評価しています。つまり三軸圧縮試験では同じ種類・性質の試験体が4〜5本、要ることになります。しかし、石材にするような均質な岩石ならともかく、私たちがトンネルやダムの現場で扱う岩石は千差万別で不均質です。とくに、工事を始める前に調査ボーリングで採取したコア(岩芯)では、よほど分厚い地層でなければ、同じ特性で4〜5本の試験体を揃えることはできません。

写真1;三井建設(株)技術研究所岩盤実験室
写真2;Westerly花崗岩の試験体

「1本の試験体で4〜5レベルの封圧における破壊強度が調査できないだろうか。そうすれば1本で粘着力や内部摩擦角がわかるのに・・・」との要望から、多段階三軸圧縮試験が考案されました。考え方はいたって簡単で、ある封圧で試験体を軸方向に押し潰していき、破壊する寸前で押すのを中止して、すばやく次のレベルの封圧を加え、ふたたび軸方向に押していき、また破壊する寸前で押すのを中止して・・・を繰り返せば、1本で粘着力や内部摩擦角が評価できることになります。ところが「言うは易し、行うは難し」で、実際には簡単ではありません。「破壊する寸前」と簡単に言いますが、岩石の破壊挙動はジェットコースターのようなもので、ピーク強度を少しでも越えると通常は一気に壊れてしまいます(図1)。また、破壊する寸前を試験員が判断するのではばらつきも大きいし、個人差も出てきます。さらに操作時間もまちまちです。

2つの問題点、すなわち破壊寸前の安定した制御と人的誤差の問題がありましたが、前者は周変位制御の採用で、後者はピーク検知用のパソコンの導入で解決しました。岩石を軸方向に押し潰すとき、軸方向には縮み、横方向には膨らみますが、その横(周)方向の膨らみ方は破壊のピーク近傍では大きくなります(図1参照)。そこで、高圧下で使用可能なMTSの周変位計を使って膨らむ速度が一定になるように押し潰していくと、結果的に破壊前後はゆっくり時間をかけて押していくことになります。これで破壊寸前の安定した制御が得られます。MTSのTestStar IIの機能にReadoutとDigital Inputというのがありますが、軸応力、周変位のデータを外部のピーク検知用パソコンに送り、ここでピークを判断し、ピークに到達したらこれを試験機に知らせます。あとはTestWare SXのプログラムで封圧を変えて試験を続けます。こうすれば人的誤差は入りません。

こうして多段階三軸圧縮試験の自動化が完成しましたが、変化させる封圧レベルの大きさをできるだけ小さくすれば、ほぼ連続した封圧レベルに対する強度特性が得られます。図2の事例では、封圧の刻みを1MPaとして1MPaから10MPaまで、自動的に連続して多段階三軸圧縮試験を実施していますが、やや上に凸ななめらかな関係が得られています。この多段階三軸圧縮試験は今後さらに普及すると思われます。現在、試験法の有する問題点の克服と実データの蓄積を進め、株式会社フジタ技術センターさまと、さらなる高度化を目指して共同研究を実施しているところです。

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