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疲労耐久関連試験装置

小型車両シミュレーター



MTS のシニア エンジニアである Dave Fricke は、ライダー荷重とシャーシ モーションの制御を行う新しいシミュレーション テクノロジーについて語り、オートバイと ATV 試験の精度を向上させる方法について述べます。

Q: MTS が新しいテクノロジーの開発に至った経緯は何ですか?

小型車両試験の要件を考察する際には、ライダーが車両に乗っていることを考慮することが重要となります。 ライダーは負荷入力の要素となることがありますし、車両の荷重反力になることもあります。 もちろん、ライダーの物理的影響力は車両のサイズが小さくなるに伴い増大します。 この影響力はオフロードやモトクロスレースなどライダーが意図的に自らの体重を使って車両の動きをコントロールするような操作環境においては倍増します。

オートバイ、スクーター、ATV 試験エンジニアは、ハンドル、シート、フットレストにおけるライダーの影響を正確に再現することができる方法を常に探し求めてきました。 これらの負荷は現実世界で車両がどのように機能するかを評価する上で非常に重要な要素となります。 しかしながら、現在に至るまでテスト ラボにおいては 「パッシブ」ライダー システムに依存したシミュレーションを実施ければなりませんでした。 これらのシステムには、人間のダミー人形、またはスプリング、質量、ダンパーなどその他の機械的構成物が含まれていました。 これらのパッシブ システムは、特定のライダーの荷重や減衰効果を再現するように設定することは可能ですが、すべての運転条件に対応する一般的なソリューションを提供することはできず、極限状態下にあるオートバイに搭載することも危険です。
他の課題としては、極限状態の現象自体の物理的要素があげられます。 例えば、モトクロスのジャンプと着地では、8 〜 10 メートルの上下方向の動きが必要となります。 ラボにおいては、これらの極限状態を 50cm 以下の上下方向の動きで再現しなくてはなりません。 私たちは、シミュレーション システム デザインの制限に適合するように、これらの極限状態を「縮小化」しなくてはならないのです。

MTSはこの分野の技術革新において長い歴史を持っています。現象を再現するのに所要する時間を短縮することで、運動の周波数をシフトし、結果として必要となる運動範囲を削減する、高度な制御技術が開発されました。 MTSの「ロングストローク」車両シミュレータは、構造物シミュレーションに関して世界で最も大きな運動範囲をもつシミュレータとなっていますが、スラローム走行などの大きな運動をシミュレートする際にはこのような技術が必要となります。

「ジャンプ」シミュレーションはまた別の課題となります。 車両の車輪は離陸および着地時の負荷を生成・吸収する働きをしますが、車両のシャーシ全体に作用しているのは重力で、それによって車両はレーストラックに戻ることができます。 サスペンションを引いたり元の位置に戻したりすることによらず、小さなシャーシの動きでジャンプを再現するには、シャーシの動きを直接制御する必要があります。

Q: MTS が開発したソリューションとは何ですか?

Fricke: Paul Carroll をリーダーとするアクティブ ライダー/拘束装置 デザイン チームは、オートバイまたは ATV に直接取り付ける革新的なアクチュエータ メカニズムを開発しました。 この装置を利用することにより、ライダー荷重をシャーシに負荷することができ、同時にシャーシの拘束およびポジション制御も可能となるため、極限のオフロード上の運転操作をシミュレートすることができます。ライダー荷重と修正されたシャーシの動きの最適なコンビネーションを達成するための、システム制御要件を調整することが私の任務でした。

上下方向のフットレスト荷重は車両の下から適用され、ハンドル荷重は調整可能な H フレーム アセンブリを利用して最適な角度で適用されます。 テスト トラック上での計装コンポーネントは、ハンドルおよびフットレスト荷重を測定するために歪みゲージが使用されました。 それから、RPC® (Remote Parameter Control)ソフトウェアを利用して、テスト ラボにてアクティブ ライダー メカニズムを通じてこれらの負荷を再現します。 オートバイ試験の場合には、車両が直立状態を保つように、制御システムはフットレスト荷重の左右差も制御します。 現在の設計では、シート入力を追加する、もしくはシート入力への置き換えをすることもできます。 モトクロスのコースでは、ライダーはシートに座ることも時々ありますが、大きな衝撃が発生する事象では、フットレストとハンドルに最も大きな負荷がかかります。

フットレスト 拘束装置は、実際には 2つの役割を果たします。 前方の上下方向シャーシ拘束装置と共にアクティブ拘束システム用の装置として利用することもできます。 ジャンプをシミュレートする際、通常のシミュレーション制御においてはシミュレータの物理的能力を超える車両モーションが必要となります。 私たちはこれを予期し、フットレストおよび前方の上下方向入力の制御を「ライダー」モードから「拘束」モードに切り替える制御方法を開発しました。

例えば、車両のジャンプをシミュレートする際、離陸時に拘束システムはアクティブになり、取り付け部に低周波荷重制御を適用してシャーシを正しい位置に導きます。 着地時の負荷を再現する際には、システムはフットレストのライダー荷重を制御するモードに戻ります。 つまり、拘束システムは必要な時、低周波数領域においてのみアクティブに作用するということがポイントになります。 ジャンプ以外のほとんどの間と高周波数領域では、ライダーによる荷重のみを発生させます。

Q: アクティブ ライダー/拘束テクノロジーを適用することによって車両テスト ラボはどのような利益を得ることができますか?
Fricke: オフロード車両にとって、ジャンプは最も過酷な動作の 1 つとなります。 アクティブ ライダー/拘束テクノロジーをシミュレータに追加すれば、ジャンプ シミュレーションの精度を大幅に向上することができます。 ジャンプより過酷度の低いシミュレーションであっても、試験エンジニアはパッシブ ライダー の動特性による制限に支障を感じています。 人間はパッシブではありません。人は車両シャーシに対して自らの体重を預けたり、切り離したりといった変化を連続して行っています。そして多くの場合、異なるライダーによる車両に対する負荷は、テストトラックの同じ事象の繰り返しであっても、全く異なるものです。アクティブ ライダー テクノロジーを利用することにより、試験エンジニアは以前のパッシブ ソリューションと同様、ライダーメカニズムを物理的に変更することなく、異なるライダーをシミュレートすることができます。

一般的に、ラボ シミュレーションは複雑なコンポーネントへの負荷およびシャーシ ダイナミックスを理解するのに役立ちます。 モトクロス ジャンプなどの過酷な状況に関する試験においては、実際のテスト トラックやレースコースでの危険で、高価で、再現性の低い試験と比較した場合に、大きな利点があることが分かります。自動車業界が何年にもわたって利用してきたラボ シミュレーションの恩恵を、オートバイおよび ATV メーカーも、この新しいアクティブ/拘束テクノロジーにより、受けることができるようになったのです。

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